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レーザの光出力制御回路 - オプトエレクトロニクス回路における信号の動作予測

OptiSPICEは、電子回路シミュレーションのフレームワークに光学部品の挙動を表す方程式を組み込むことによって、単一の解析エンジンでオプトエレクトロニクスを扱える唯一のSPICEソフトウェアです。これまでに、電気と光の密接な統合、熱結合、様々な光効果(干渉、反射、マルチキャリア周波数)をモデル化した単体のシミュレータは存在しませんでした。

下記の図は、レーザの周囲の温度が変化する場合の、レーザの光出力を一定に維持するフィードバックループを使用しているレーザの光出力制御回路の例題です。


図1.出力制御回路

スプリッタでレーザの光出力のごく一部を取り出した光信号をフォトディテクタに入力し、フォトディテクタの出力を閉ループPIコントローラ(図2)へ入力しています。温度変化によるレーザの出力変化に応じてフォトディテクタの電流が変化しても、レーザに流れる電流が一定になるようにPIコントローラはバイアス電圧を調節します。
その結果、光出力は一定になります。


図2.PIコントローラサブサーキット

図3.レーザの周囲温度

この回路で使用しているレーザの周囲温度は、図3で示すように時間とともに変化しています。この温度変化は、外部の熱源を通じてレーザに供給されています。

結果

図4は閉ループと開ループの2つの場合のレーザ出力を示しています。予想通り、PIフィードバックループ(閉ループ)ではレーザのバイアスが温度変化を補償するように調整されています。


図4.レーザの出力パワー

図5.バイアス電圧

図5は、閉ループと開ループのバイアス電圧を示しています。グラフから閉ループではバイアス電圧が温度上昇を補償するために低下していることがわかります。


図6.PIコントローラの入力電圧

図7.PIコントローラの出力電圧

図6、図7は、PIコントローラの入出力電圧を示しています。入力電圧の小さな変化(mVオーダー)によって出力電圧は大きく変化していることがわかります。

まとめ

電気と光の結合を十分に考慮できない複数のツールを使用したコ・シミュレーションや等価回路を使用する従来のSPICEでは、この様な回路を正確にシミュレーションすることができません。電気と光が混在するレーザの光出力制御回路の設計は、電気モデルと光モデルを扱えるSPICEソフトウェア-OptiSPICE-を使用してシミュレーションする必要があります。

さらに詳しい内容につきましては、Optiwave日本オフィスにお問い合わせください。

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