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OFDMデザイン(直接検出とコヒーレント検出)

OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing -直交波周波数分割多重-)は利用できるスペクトルを個々に低いデータレートストリームで変調し、複数のキャリアに分割するマルチ搬送波伝送技術です。

光学OFDMは、従来のシリアル変調スキームと比較して以下の利点があります。

  • 色分散(CD)と偏光モード分散(PMD)に対して優れた耐性のある光OFDMはシンボルレートを減らすことができます。
  • 複雑な送受信機をアナログからデジタル領域へ変換することで、送受信機の逆高速フーリエ変換(IFFT)と高速フーリエ変換(FFT)は、電子分散補償(EDC)を可能にします。

信号が1つのOFDMシンボル周期に数学的に直交するように、サブキャリア周波数が選択されます。個々のサブキャリアは部分的に重なり高い光スペクトル効率を生み出します。

このアプリケーションノートはOptiSystemを使った、直接検出OFDMとコヒーレント検出OFDMのシミュレーション事例です。


図1. 10 Gbps直接検出4-QAM OFDMシステム

10Gbps直接検出512サブキャリア4-QAM OFDMシステムを図1に示します。OFDM変調の入力データはBPSK、QPSK、QAMなどの異なる変調フォーマットを持つことができ、ここでは4-QAMを使用しています。

OFDM変調と直交変調(RF信号は7.5GHzのキャリア周波数にアップコンバート)で生成されたRF OFDMスペクトラムは図2となります。RF OFDM信号はマッハツェンダ変調器で駆動します。


図2. OFDMと直交変調後のOFDMスペクトラム

図3に両側波帯(DSB)とフィルタリング後の単側波帯(SSB)の光信号を示します。受信機のRF OFDMスペクトルは図4(a)に、コンスタレーションダイアグラム(OFDMと直交復調後)は図4(b)に示します。


図3. 光OFDMスペクトラム (a) 両側波帯 (b) 単側波帯


図4. 受信機の(a) RF OFDMスペクトラム (b) コンスタレーションダイアグラム

10Gbpsコヒーレント512サブキャリア4-QAM OFDMシステムを図5に示します。参考文献[2]では、一般的なCO-OOFDMシステムは5つの基本的な機能ブロック(RF OFDM送信機、RF to optical(OTR)ダウンコンバータ、光リンク、optical to RF(RTO)アップコンバーター、RF OFDM受信機)で構成されます。


図5. 10Gbpsコヒーレント512サブキャリア4-QAM OFDMシステム

同相構成のRFスペクトラムを図6(a)に示します。I/Q変調後の光OFDMスペクトルを図6(b)に示します。60kmのSMF 28ファイバ伝播後のRF OFDM受信機のコンスタレーションダイアグラムを図7に示します。


Fig. 6: (a) in-phase構成のRFスペクトラム (b) 光OFDM スペクトラム


図7. RF OFDM受信機のコンスタレーションダイアグラム

光OFDM信号を長距離ファイバで伝送するためには、電気分散補償が必要です。3000kmのSMF 28 ファイバリンクを伝送する10Gbpsコヒーレント4-QAM OFDMの例で、電気分散補償を使用した場合と使用しない場合の受信機のコンスタレーションダイアグラムを図8に示します。


図8. 3000kmのSMF 28 ファイバリンクを伝送する10 Gbpsコヒーレント4-QAM OFDM シミュレーション
(a) 電気分散補償を使用しない場合 (b) 電気分散補償を使用した場合

参考文献: [1] J. Armstrong, "OFDM for Optical Communications", J. Lightwave Technology, vol. 27, pp. 189-204, Feb 2009. [2] W. Shieh, X. Yi, Y. Ma, and Q. Yang, "Coherent optical OFDM: has its time come?", J. Optical Networking, vol. 7, pp. 234-255, Mar 2008.

Optiwave Systems Inc.
Optical OFDM Design - Direct and Coherent Detection

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