開発元 Optiwave社

OptiSystem Version 12.0

OptiSystem 12.0では、コヒーレント光通信のためのいくつかの機能を強化したほか、新しい可視化素子も追加されました。
下記の新機能リストをご覧ください。

リリース日:2013年6月

新しい光送信機素子

16-QAM 送信機とDP-16-QAM 送信機が光送信機ライブラリに追加されました。QAM は直交振幅変調(quadrature amplitude modulation)、DP は二重偏波(dual polarization )の略です。

下図は、16-QAM 光送信機の構成を示しています。マッハ・ツェンダー光変調器を利用して QAM シンボルが光キャリアを変調する様子を表しています。

下図は、DP-16-QAM 光送信機の構成を示しています。偏波スプリッタによって光キャリアがお互いに直交する偏波キャリアに分岐され、それぞれ 16-QAM 光送信機を経て、再び合波する様子を表しています。

新しい光受信機素子

16-QAM コヒーレント受信機とDP-16-QAM コヒーレント受信機が光受信機ライブラリに追加されました。これらの受信機は光ホモダイン検波に基いて復調を行います。

下図は、16-QAM 光受信機の構成を示しています。

下図は、DP-16-QAM 光受信機の構成を示しています。

新しいDSP素子

新たなDSP素子(DP-QPSKのためのDSP、DP-16-QAMのためのDSP)が Receivers/Digital Signal Processing ライブラリに追加されました。これらの素子は DP-16-QAM と DP-QPSK コヒーレント光通信システムの構築に使われます。

DP-QPSK、DP-16-QAMのサンプル例は、Samples/Advanced modulation systemsフォルダの中の“100 Gbps DP-QPSK DSP 800 km.osd” および “400Gbps DP-16-QAM DSP 100 km.osd” をご参照ください。

新しい可視化素子

6つの新しいビジュアライザ (Dual Port Binary Sequence Visualizer, Dual Port M-ary Sequence Visualizer, Dual Port OTD Visualizer, Dual Port OSA, Dual Port Oscilloscope, and Dual Port RF Spectrum Analyzer) が追加されました。独立した2つの端子による信号(バイナリ、m-ary、電気信号、または光信号)を一つのグラフ上で比較解析(特に波形解析)することが可能になりました。

"View Signal Visualizer"が追加されました。この新しい素子は、任意タイプの出力端子における出力信号(実数または複素数の行列)を表示/保存することができます。

Multimode Fiber素子の機能を強化

Measured-Index Multimode Fiber 素子が、アルファー乗の分布型ファイバにも対応可能になり、屈折率比や peak/cladding の屈折率値を設定できます。なお、 “Material properties”が有効の場合、テスト波長における屈折率の分布が表示できるようになりました。

Measured-Index および Parabolic-Index Multimode fibers 素子には新しいグラフ表示機能(ファイバの伝達関数 Fiber Transfer Function および相対群遅延 Relative Group Delay)が追加されました。

QAM Sequence Generator/Decoder素子の機能を強化

本バージョンにより、n-QAM変調方式をカスタマイズすることが可能になりました。QAM Sequence Generator 素子の“User-defined I-Q map” が選択された場合、I-Q 振幅パラメータに基いたシンボル・マップをユーザ定義することができます。

QAM Sequence Decoder もQAM Sequence Generator と同様に、ユーザ定義のシンボル・マップが可能になりました。そのほか、QAM Pulse Generator と Electrical QAM Modulator にもこの新機能が搭載されました。

PINとAPD光検出器素子の機能を強化

Photodetector PIN および Photodetector APD に、波長における応答度(Responsivity)の設定が今まで定数しか設定できませんでしたが、本バージョンにより、Si, Ge および InGaAs 材質の応答度を選択することが可能になりました。さらに、波長 vs. 応答度(Responsivity)を外部ファイルによるユーザ定義をすることもできます。

この新機能は Optical Receivers ライブラリの中のすべての素子にも搭載されています。

Si, Ge および InGaAs の応答度は Agrawal, G.P.の著書 Fiber-Optic Communication Systems, John Wiley & Sons, New York, (1997) から引用したものです。

OptiSystemからサンプル・ファイルへの直接アクセス

OptiSystem のメニュー・バーに新たな“Open sample”ボタンが追加されました。これにより、OptiSystem のサンプルファイルへの直接アクセスができるようになりました。

レポート画面に大画面設定を追加

レポート画面に、より大きいレイアウト(70インチ X 80インチ)が追加されました。解析結果グラフの表示や整理をより快適に行えるようになりました。

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